韓国からの輸入で最初に分かれるのは、「個人として取り寄せるのか、事業として販売するのか」です。この2つは必要な手続きも、求められる基準も別物です。個人輸入の感覚のまま仕入れを始めると、後から販売できないことが判明するケースがあります。本記事では、事業として韓国から輸入する場合の全体像を整理します。
本記事は全体像をつかむための一般的な情報です。関税率、必要書類、規制の内容は品目と時期によって変わるため、実際の手続きは税関や所管官庁、通関業者などの公式情報でご確認ください。
個人輸入と商業輸入の違い
| 観点 | 個人で使う目的 | 事業として販売 |
|---|---|---|
| 求められる基準 | 比較的簡易 | 品目ごとの規制と表示の遵守が必要 |
| 検査・届出 | 原則不要なことが多い | 食品・化粧品などは別途必要になる |
| ラベル | そのままでよい | 日本語表示の準備が必要な場合がある |
| 仕入れ先 | 個人向けECや代行サービス | メーカーや卸、現地展示会など |
つまり、仕入れ先を探す前に、その商品を日本で売るために何が必要かを確かめるのが順番です。
仕入れルートの選択肢
現地メーカーと直取引
利益率は最も高くなりますが、最低発注量や支払い条件の交渉が必要です。韓国語でのやりとりが前提になるため、体制がないと進めにくいルートです。
卸・代理店経由
少量から始めやすく、書類対応に慣れている相手も多いルートです。一方で仕入値は上がり、同じ商品を他社も扱っている可能性があります。
展示会で探す
現物を見て複数社を一度に比較できるのが利点です。初回取引の信用面でも安心感がありますが、時期が限られるため計画が必要です。
仕入れ代行サービス
言語と手続きを任せられますが、手数料が乗り、仕入先との関係が自社に残りにくい面があります。最初の確かめには向いています。
仕入値以外にのってくるコスト
現地価格だけで利益を計算すると、後から合わなくなります。実際には次の項目が積み上がります。
- 現地内の送料と、まとめるための一時保管料
- 国際送料(容積重量で算定されると大きく上がる)
- 関税、消費税、通関手数料
- 日本語ラベルの作成と貼り付け作業
- 検品と不良品のロス率
- 入金から入荷までの資金の拘束期間
とくに見落とされやすいのがラベル作業と不良品のロス率です。小ロットでは誰かの手作業で回していても、量が増えたとたんに外注が必要になります。
品目ごとに確認が必要なもの
特に注意が必要なのは、日本で人気の高いカテゴリほど規制も多いという点です。
- 化粧品:成分や表示に関するルールがあり、輸入する事業者側に責任が生じます。
- 食品:成分、添加物、表示の各面で確認が必要です。
- 雑貨・アパレル:比較的ハードルは低めですが、意匠や商標の問題には注意が必要です。
- 電気製品:安全基準や電源仕様の違いがあり、別途確認が必要です。
いずれも、仕入れてから調べるのではなく、発注前に確認するのが鉄則です。
注文から店頭に並ぶまでの流れ
仕入先が決まったあと、実際にやることはこの順になります。どこで日数がかかるのかを先に把握しておくと、発売日を無理なく置けます。
- 注文と支払い:条件を確定させ、インボイスを受け取ります
- 現地での出荷準備:梱包明細書と原産地証明の有無をここで確認します
- 国際輸送:航空か海上かで日数も費用も大きく変わります
- 日本での輸入申告:通関業者に依頼するのが一般的です
- 必要な届出や検査:食品や化粧品はここで時間がかかります
- 国内でのラベル貼付と検品:日本語表示が必要な品目はこの工程が入ります
- 入庫と販売開始
初回は5番で止まることが多くあります。必要な書類が揃っていない、成分表の内容が不十分、といった理由です。これは発注前に仕入先から資料をもらっておけば防げます。
誰に何を頼むのか
輸入の実務は、すべてを自社で抱える必要はありません。役割を分けて考えると、どこを外に出すかが見えてきます。
| 相手 | 頒めること |
|---|---|
| 通関業者(通関士) | 輸入申告、関税の計算、分類の判断 |
| フォワーダー | 現地集荷から国際輸送、国内配送までの手配 |
| 検査機関 | 品目に応じた分析や試験の実施 |
| 自社 | 売ること。ここだけは外に出しても残ります |
初めての場合、通関業者に早めに相談するのが近道です。品目の分類と必要書類は専門家の領域で、自分で調べて悩む時間のほうが高くつきます。
仕入れたあとに必要になること
商品を探すことと同じくらい難しいのが、仕入れたあとに売ることです。韓国商品は日本でも取り扱いが増えており、同じ商品を複数社が扱っていることも少なくありません。
逆に、現地での評判や使われ方を知っていることは強みになります。仕入れの段階でNaverのブログやカフェを見ておくと、どんな訴求が現地で受けているのかが分かり、日本での売り方にも使えます。調べ方はネイバーブログとは?で解説しています。
よくある質問
個人輸入した商品をそのまま転売できますか?
個人使用として輸入したものを販売するのは、ルール上の問題になりうるため推奨されません。販売を前提にするなら、最初から商業輸入として手続きをするのが安全です。具体的な判断は税関や専門家にご確認ください。
韓国語ができなくても仕入れできますか?
代行サービスや日本語対応の卸を使えば可能です。ただし条件交渉やトラブル対応では言語の壁が出やすいため、取引規模が大きくなるほど現地対応の体制が必要になります。
関税はどのくらいかかりますか?
品目と適用される協定によって大きく異なり、制度も改正されます。原価計算の前に、最新の公式情報か通関業者で必ずご確認ください。
最初はどのルートが良いですか?
商品が日本で反応するかを確かめる段階であれば、少量で始められる卸や代行サービスが無難です。回転が見えてからメーカー直取引に切り替えると、リスクを押さえられます。
通関業者にはいつ相談すればよいですか?
発注する前です。品目の分類や必要書類は専門家の領域で、自分で調べて悩む時間のほうが高くつきます。仕入先からもらうべき資料も先に教えてもらえます。
初回の輸入で止まりやすいのはどこですか?
届出や検査の工程です。必要書類が揃わない、成分表の内容が不十分、といった理由で止まります。発注前に仕入先から資料をもらっておけば防げます。
仕入値以外にどんなコストがかかりますか?
現地送料と一時保管料、国際送料、関税と通関手数料、日本語ラベルの作成作業、不良品のロス率です。とくにラベル作業とロス率は見落とされがちで、量が増えると一気に重くなります。
まとめ
韓国からの輸入は、仕入れ先を探す前に「その商品を日本で販売するために何が必要か」を確かめるところから始まります。規制と表示を先に押さえ、少量で反応を見てから取引を大きくする。この順番が、在庫リスクを最も小さくできる進め方です。
Kマーケティングワークスは輸入代行や通関業務は承っていませんが、韓国現地の市場情報の調査や、逆に日本の商品を韓国で売るためのマーケティングを支援しています。ご相談は無料です。
関連サービスと参考記事
逆に日本の商品を韓国で売る場合は、必要な準備が変わります。具体的な進め方は韓国進出支援サービス一覧のページでご確認いただけます。