カカオトークは韓国で日本のLINEにあたるメッセージアプリで、企業は「カカオトークチャネル」を開設して顧客と直接つながります。NaverやSNSが「新しく知ってもらう」場所だとすれば、カカオトークは「一度接点を持った人とつながり続ける」場所です。集客の入口として使うものではなく、集めたあとを保持するための場所だと考えると、役割を間違えにくくなります。
LINEと何が違うのか
日本の企業がLINE公式アカウントでやっていることは、おおむねカカオトークでもできます。ただし呼び方と仕組みが違うため、そのまま置き換えて考えると混乱します。
| 項目 | 日本(LINE) | 韓国(カカオトーク) |
|---|---|---|
| 企業アカウントの名称 | LINE公式アカウント | カカオトークチャネル |
| つながり方 | 友だち追加 | チャネル追加(チャネル友だち) |
| 通知系メッセージ | 通知メッセージなど | アルリムトーク(事前にテンプレート審査が必要) |
| 販促メッセージ | 一斉配信 | チングトーク(チャネル友だち向け) |
| 周辺サービス | LINE Pay、LINEギフトなど | カカオペイ、ギフト機能、カカオマップなど |
| 広告商品 | LINE広告 | カカオモーメント |
とくに注意が必要なのはメッセージの種類です。注文確認や発送通知のような事務連絡はアルリムトーク、セールのお知らせのような宣伝はチングトークと、用途ごとに分かれています。宣伝内容をアルリムトークで送ることはできません。
カカオトークチャネルでできること
- 問い合わせの受け口にする:韓国の消費者はメールフォームよりメッセージで聞くことに慣れています
- 注文・発送の通知を送る:ECを運営する場合、ここが最も使われる用途です
- 再購入を促す:一度買った人に向けて、新商品や補充の案内を届けられます
- クーポンや特典を配る:チャネル追加の動機づけにもなります
- 購入導線につなげる:スマートストアや自社ECへのリンクを置けます
逆に、カカオトークだけで新規の認知を広げるのは向いていません。チャネルは追加してもらわないと届かないため、まずはNaverやSNS、広告で接点をつくる必要があります。
他のチャネルとの役割分担
韓国向けの施策を設計するときは、段階ごとに使う場所を分けて考えると整理しやすくなります。
| 段階 | 主な場所 | カカオトークの役割 |
|---|---|---|
| 知る | Instagram、YouTube、広告 | ほとんどなし |
| 調べる | Naver検索(ブログ・カフェ) | ほとんどなし |
| 迷う | カフェ、レビュー | 質問の受け口、クーポン配布 |
| 買う | スマートストア、Coupang、Qoo10 | 注文・発送の通知 |
| つながる | カカオトーク | 中心役。再購入とサポートの窓口 |
この表を見ると、カカオトークの出番は後半に集中していることが分かります。まだ販売を始めていない段階でチャネルを作っても、送る相手がいない状態になります。
開設と運用の進め方
① 開設主体を決める
ビジネス向けの機能を使うには、現地の事業者情報が必要になる場面があります。現地法人がない場合は、現地のパートナーや代行会社を介して開設・運用する形が一般的です。ここを決めないまま進めると、途中で止まります。
② 何を送るチャネルなのかを決める
事務連絡中心なのか、販促中心なのかで、必要な準備が変わります。事務連絡(アルリムトーク)は事前にテンプレートの審査があるため、送りたい文面を先に確定させておく必要があります。
③ チャネル追加の理由をつくる
「公式チャネルです」だけでは追加されません。初回クーポン、入荷通知、会員限定の案内など、追加すると何が得られるのかを明確にします。
④ 返信体制を先に決める
メッセージを送れば質問が返ってきます。韓国語で、しかも早めに返せる体制がないと、チャネルが放置されている印象になります。企業の印象に直結するため、開設前に決めておくべき項目です。
⑤ 送りすぎない
メッセージアプリは距離が近い分、頻度が多いとブロックされます。一度ブロックされると戻すのは難しいため、送る回数よりも「送る理由があるか」を基準にしてください。
よくある失敗
- LINEの運用をそのまま持ち込む:メッセージの種類と規制が違うため、同じ送り方はできません
- 日本語の文面を翻訳して送る:硬い言い回しになり、事務的に見えます
- 追加施策をしないまま運用を始める:友だちがいないチャネルには何を送っても届きません
- カカオだけで完結させようとする:調べられたときにNaver側に何もなければ、信用されません
よくある質問
カカオトークとLINEは何が違いますか?
役割は似ていますが、企業アカウントの仕組みが違います。韓国では事務連絡のアルリムトークと、販促のチングトークが別のものとして扱われ、前者は事前に文面の審査が必要になります。
日本の会社でもカカオトークチャネルを作れますか?
ビジネス向けの機能を使う際に現地の事業者情報を求められる場面があるため、現地法人がない場合はパートナーや代行会社を介して進めるのが一般的です。
チャネルを作れば集客できますか?
できません。チャネルは追加してもらって初めてメッセージが届く仕組みなので、先にNaverやSNS、広告で接点をつくる必要があります。集めた人を保持するための場所だと考えてください。
メッセージはどのくらいの頻度で送ればよいですか?
回数の目安よりも、送る理由があるかどうかで判断してください。内容のない配信が続くとブロックされ、一度失った接点を戻すのは難しくなります。
韓国語ができないと運用は難しいですか?
配信だけなら翻訳でも形になりますが、返信が発生する前提で体制を組む必要があります。質問に答えられない状態での運用は、かえって印象を悪くします。
カカオトークとNaverはどちらを先に始めるべきですか?
Naverが先です。検索されたときに読めるものがない状態では、そもそもチャネルを追加してもらう手前までたどり着いてもらえません。
関連サービスと参考記事
チャネルの開設から日常の運用・返信対応までを含めた支援は韓国SNS運用代行サービスのページでご確認いただけます。