公開日:2026年11月6日
体験団(韓国語で체험단、チェホムダン)は、企業が商品やサービスを提供し、参加者がその体験をブログやSNSに投稿する、韓国で広く使われる口コミ施策です。主な媒体はNaverのブログやカフェで、投稿は検索結果にも表示されます。日本企業が使う場合は、広告であることを示す表示のルールと、商品の発送や投稿後の管理を、先に確認する必要があります。
この記事では、体験団の仕組み、進め方、向き不向き、注意したい点を、公開情報をもとに整理します。
※韓国の広告代理店やサービス事業者の解説記事を中心に、2026年10月時点で確認できた範囲で整理しています。費用の公式な相場や、現在の表示ルールの詳細は、確認できる公開資料が見つかりませんでした。実施前に、代理店や専門家にご確認ください。
体験団とは
韓国の広告代理店AMPM Globalの解説(2024年6月公開)では、体験団を、企業が商品を提供し、利用した人がNaverのブログやカフェにレビューを投稿する方法と説明しています。同社は、信頼されやすい手法と紹介していますが、これは代理店自身の見解です。
韓国のサービス市場クモン(Kmong)の解説(2023年5月公開)では、物販は商品を発送し、飲食店や美容室などは来店してもらったうえで、レビューを書いてもらう方法が紹介されています。対象の業種として、化粧品、食品、飲食店、ジム、美容室が挙げられています。参加者の同意があれば、投稿の写真や動画を、ほかの宣伝に再利用できるとも説明されています。
進め方の流れ
広告代理店GROWTH MARKETINGの解説(2024年7月公開、2026年3月更新)では、韓国での商品提供型の施策を、次の7つの手順で説明しています。
- 目的を決めます。
- 参加人数を決めます。
- 韓国国内の媒体やネットワークで参加者を募集します。
- 参加者を選びます。
- レビューを書くときのガイドを渡します。
- 施策を実施します。
- 結果を分析します。
クモンの解説では、ブログを選ぶ目安として、隣人(購読者)の数、訪問者数、内容の信頼性が挙げられています。また、キーワードを事前に指定すること、投稿を後から削除や修正できないことを事前に伝えることが、運用のコツとして紹介されています。
向いている業種と、向かない場合
AMPM Globalの解説では、必要かどうかは業種によって変わると説明されています。たとえば、高額な家電のように、購入前に多くのレビューが参考にされる商品には向く一方、花の配送のような業種では、必ずしも必要ではない場合があるという例が挙げられています。数字による根拠は示されていません。
広告であることを示す表示
商品やサービスの提供を受けた投稿は、広告であることを示す表示が必要になります。韓国公正取引委員会は、事業者と推薦者の間に金銭などの利害関係がある場合、その事実を表示するよう求めており、2020年に指針の改正が確定し、同年9月から施行されたと、現地の報道(Dailian、2020年6月)が伝えています。報道や法律事務所の解説(2020年8月)では、表示は投稿の冒頭か末尾に、本文と区別して入れることなどが説明されています。
なお、2011年のKorea JoongAng Dailyの記事では、当時の韓国には、ブログの報酬の表示に関する政府のルールがなかったと報じられています。ルールは時期によって変わるため、実施時点の内容を確認する必要があります。
注意したいリスク
- 表示の漏れ:提供を受けた投稿に、利害関係の表示がない場合です。表示の責任は、広告主または推薦者にあるとされています。
- 投稿の削除や修正:クモンの解説では、参加者が投稿を削除する場合があり、事前に伝えておくことが対策として紹介されています。
- 評価の偏り:2011年のKorea JoongAng Dailyの記事では、好意的なレビューを書いた人にだけ商品を提供する例や、企業が投稿の修正や削除を求める例が報じられています。古い記事ですが、評価の偏りや信頼の損失に注意が必要です。
日本企業が始める前に確認したいこと
- 韓国語の資料:商品の説明やレビューのガイドを、韓国語で用意できるか。
- 商品の発送:韓国への発送や通関の方法。手順は日本から韓国へ輸出する方法で整理しています。
- 媒体:Naverのブログを使うか、カフェやSNSを使うか。ブログの使い方はネイバーブログの記事で解説しています。
- キーワード:投稿に入れる言葉。探し方は韓国語キーワード調査のやり方で解説しています。
- 表示のルール:参加者に、表示の方法を事前に伝えられるか。
- 運営の体制:募集、選定、確認を自社で行うか、代理店に任せるか。代理店の選び方は韓国の広告代理店の4つのタイプで整理しています。
よくある質問
体験団とは何ですか?
企業が商品やサービスを提供し、参加者がブログやSNSに体験を投稿する、口コミの施策です。
インフルエンサーマーケティングとの違いは何ですか?
体験団は、一般の参加者を複数集め、レビューを集める形が中心です。インフルエンサーへの依頼は、影響力のある個人を選ぶ形で、選び方は韓国インフルエンサーの探し方・選び方で整理しています。
費用はどのくらいですか?
確認できた資料に、信頼できる公式の相場はありませんでした。商品の提供費に加え、代理店を使う場合は運営費がかかります。見積もりを依頼してください。
広告であることは、どう表示しますか?
報道や解説では、投稿の冒頭か末尾に、本文と区別して書く方法が紹介されています。実施時点のルールを、公正取引委員会か専門家にご確認ください。
日本の企業でも実施できますか?
確認した資料に、国籍による制限の記載はありませんでした。実際には、韓国語での運営と、商品の発送の準備が必要になります。
まとめ
体験団は、商品やサービスを提供し、韓国のブログやSNSにレビューを投稿してもらう口コミ施策です。業種によって向き不向きがあり、広告であることの表示と、投稿の管理に注意が必要です。日本企業は、韓国語の資料、商品の発送、表示の方法を先に整えることが大切です。
Kマーケティングワークスでは、韓国の口コミ施策や、Naver対策を支援しています。どこから始めるか迷う場合は、お気軽にご相談ください。
参考にした公開情報
- クモン「ブログ体験団を効果的に活用する方法」(2023年5月13日)
- AMPM Global「体験団マーケティングは必要か」(2024年6月10日)
- GROWTH MARKETING「A Guide to Product Sampling Marketing in Korea」(2024年7月公開、2026年3月更新)
- Korea JoongAng Daily「The incestuous world of bloggers and companies」(2011年7月7日)
- Dailian(2020年6月23日)広告表示の指針改正を報じた記事
- iNews24(2020年8月31日)公正取引委員会の表示ガイドを報じた記事
関連サービスと参考記事
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