日本酒の韓国への輸出のイメージ

日本酒を韓国で販売するには?2025年の輸出額、輸入の手続き、税金と表示の確認点

公開日:2026年11月3日

日本酒の韓国向けの輸出は、2025年に韓国側の輸入額が過去最大と報じられるなど、伸びている分野です。一方で、免許、表示、税金、流通の制度は、日本国内の販売とは大きく異なります。この記事では、2025年の数字と、国税庁などの資料で確認できた制度を、資料の時期とあわせて整理します。

※輸出の数字は、日本酒造組合中央会が2026年2月に発表した内容と、韓国の報道(2026年2月)で確認したものです。制度に関する内容は、国税庁などの資料(2017年3月、2018年3月)に基づいており、現在の制度とは異なる場合があります。税率や免許、表示の条件は、実際に輸出する前に、韓国の関税庁や専門家に最新の内容を確認してください。韓国の輸入額は、報道で伝えられた数字で、関税庁の統計そのものは確認していません。

日本酒の輸出と、韓国の位置づけ

日本酒造組合中央会によると、2025年の日本酒の輸出は、次のとおりでした。輸出額は歴代2位で、過去最高は2022年の475億円と報じられています。

指標 2025年 前年との比較
輸出額 約459億円 約6%増
輸出数量 3,355万リットル 約8%増
輸出先の国・地域 81 前年の80から増加

国別の輸出額は、次のとおりです。

輸出先 2025年の輸出額 前年との比較
中国 133億円 14%増
アメリカ 110億円 3%減
韓国 44億円 17%増

韓国向けは44億円で、2020年の約4.5倍になったと報じられています。韓国向けの単価は、全体の平均よりも低い一方で、上がり続けているとも説明されています。

韓国側の輸入統計

韓国の関税庁の統計をもとにした報道では、2025年の清酒(日本酒)の輸入額は2,784万ドルで、2024年の2,296万ドルから21.2%増えたとされています。

年 韓国の清酒(日本酒)の輸入額(米ドル) 備考
2021年 1,416万ドル 報道による
2022年 1,898万ドル 報道による
2024年 2,296万ドル 報道による
2025年 2,784万ドル 前年から21.2%増。過去最大と報じられている

日本側の輸出額は17%増、韓国側の輸入額は21.2%増で、数字が一致していません。日本側は円、韓国側は米ドルと通貨が違うためで、金額の計り方も違う可能性があります。為替レートが資料に示されていないため、本記事では2つの数字を合わせていません。また、一部の報道には単位の誤りがあり、複数の報道を突き合わせて確認しました。

韓国へ輸出するときに確認する制度

国税庁と日本貿易振興機構(ジェトロ)の資料(2017年3月と2018年3月)に書かれていた内容を、整理します。公開から年数がたっている資料で、制度が変わっている可能性があります。

項目 資料に書かれていた内容 資料の時期
韓国側の免許 酒類の輸入には、酒類輸入業免許が必要。卸売と小売は別の免許 2017年3月
日本側の免許 酒類の輸出には、輸出酒類卸売業免許が必要。ただし、自社の酒類を輸出する製造者は除く 2018年3月
海外の製造者の登録 韓国の食品医薬品安全処に、輸入申告の7日前までに登録する。有効期間は2年、手数料は28,000ウォン 2017年3月
表示 ハングルでの表示が原則。品名、酒類の種類、輸入者の名称と住所、製造年月日、流通期限または品質維持期限、容量、アルコール度数、原材料、原産国、警告などが必要 2017年3月、2018年3月
賞味期限の書き方 賞味期限は韓国の法律で認められておらず、流通期限か品質維持期限を使う 2018年3月
販売の流れ 新規の卸売免許は発行されず、免許を持つ一次問屋を通して販売するとされていた 2018年3月
配送 酒類運搬の許可を受けた車両が必要。宅配や郵便では送れない 2018年3月
オンライン販売 日本酒のオンライン販売や通信販売は禁止とされていた 2017年3月
個人での輸入 個人用や贈答用は1本(1リットル以下)まで。税金はかかる 2017年3月

2017年の資料には、広告や表示の禁止事項について「情報なし」とありました。日本酒に特有の広告の制限は、今回確認できた資料では確認できていません。別途、専門家に確認してください。

韓国で課される税金の仕組み

2017年と2018年の資料には、清酒を輸入するときの税金の仕組みが、次のように書かれていました。税率は変わる可能性があるため、実際の計算には使わず、仕組みを理解するための例として見てください。

項目 資料の税率 CIF価格を100とした場合
関税(清酒) CIF価格の15% 15
酒税 (CIF価格+関税)の30% 34.5
教育税 酒税額の10% 3.45
付加価値税 (CIF価格+関税+酒税+教育税)の10% 約15.3
税金の合計 上の4つの合計 約68.2(CIF価格の約1.68倍)

この表は、資料に書かれた税率を使い、CIF価格(商品代金、保険料、運賃を含む価格)を100とした場合の、筆者による計算です。商品の仕入れ値や、輸送費は含まれていません。あくまで仕組みの例で、実際の税額の見積もりではありません。

数字と制度の読み方

日本側の輸出額は、日本酒造組合中央会の発表で、円で示されています。韓国側の輸入額は、報道が関税庁の統計をもとに伝えたもので、米ドルです。両者は通貨が違い、金額の計り方も違う可能性があるため、一致しないことがあります。

制度の資料は、2017年と2018年のものです。2025年の数字が伸びていることと、2017年や2018年の制度が今も同じであることは、別の話です。税率、免許の条件、販売の流れは、必ず最新の内容を確認してください。

日本酒造組合中央会の発表には、日本酒の成長性を高く評価する表現や、成長の要因についての見方があります。これは同団体の見解で、実際の効果を測ったものではありません。本記事では、数字だけを使っています。

日本企業が確認したいこと

  • 輸入する会社(輸入者)が、韓国で必要な免許を持っているか、誰が輸入者になるのか
  • 韓国向けの表示(ハングル)を、輸出の前に付けるのか、現地で付けるのか
  • 日本側の輸出の免許や、酒税の手続きが必要になるか
  • 卸売や小売の流れで、どの会社を通すのか
  • 最新の税率と、販売や広告の制限は、どうなっているか

輸出の全体の流れは韓国への輸出の進め方、市場への入り方は韓国市場進出の手順で整理しています。商品名やブランド名の扱いは韓国の商標登録、現地の展示会の活用は韓国の展示会の活用も参考になります。

よくある質問

日本酒の韓国向けの輸出は、増えていますか?
日本酒造組合中央会によると、2025年の韓国向けの輸出額は44億円で、17%増えました。韓国の関税庁の統計をもとにした報道では、清酒の輸入額が2,784万ドルで、21.2%増とされています。通貨が違い、金額の計り方も違う可能性があるため、2つの数字は一致していません。

韓国で日本酒を販売するには、どんな免許が必要ですか?
2017年と2018年の資料では、韓国側で酒類輸入業免許が必要で、卸売と小売は別の免許とされていました。日本側でも、自社の酒類を輸出する製造者を除き、輸出酒類卸売業免許が必要とされています。現在の条件は、最新の内容を確認してください。

韓国向けの日本酒に、必要な表示はありますか?
2017年と2018年の資料では、ハングルでの表示が原則で、品名、輸入者、製造年月日、流通期限または品質維持期限、容量、アルコール度数、原材料、原産国、警告などが必要とされていました。賞味期限という書き方は、韓国の法律で認められていないと説明されています。

韓国で日本酒を輸入すると、どんな税金がかかりますか?
2017年と2018年の資料では、関税が15%、酒税が30%、教育税が酒税額の10%、付加価値税が10%と書かれていました。税率は変わる可能性があるため、実際の輸出の前に、最新の内容を確認してください。

日本酒を、韓国の消費者へネットで直接販売できますか?
2017年の資料には、日本酒のオンライン販売や通信販売は禁止とされていたという記載があります。現在の扱いは今回確認できていないため、実際に販売する前に、専門家へ確認してください。

まとめ

2025年の日本酒の輸出は、韓国向けが44億円で17%増と、伸びています。一方で、免許、表示、税金、流通の制度は、2017年と2018年の資料で確認できた内容と、現在の内容が異なる場合があります。輸出を考えるときは、数字の伸びだけでなく、最新の制度を、専門家と一緒に確認することが大切です。

Kマーケティングワークスでは、韓国向けの販売の進め方や、現地での発信について、ご相談を承っています。状況に合わせた進め方をご案内しますので、お気軽にお問い合わせください。

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